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<<   作成日時 : 2017/07/26 19:11   >>

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プラハからキエフへ。
プラハ郊外のラグビー場の芝生の上で踊った後、空港へ直行。午後のフライトでウクライナのキエフへ。
今回の交流使のハイライトの1つ、『展覧会の絵』の創作と上演である。
8年ほど前のリサイタル「蘭黄の会」で発表した邦楽版『展覧会の絵』。
2012年に、箕乃助さんと日本舞踊振興財団の公演で行ったキエフ。そこでキエフ市の史跡「黄金の門」に出会う。『展覧会の絵』の最終曲の「キエフの大門」はここの再建案の絵をテーマにしている。門は20世紀になって復元されており、中は遺跡の石垣が保存された伽藍堂。ここで『展覧会の絵』を踊りたい!と、国立キエフバレエ学校の芸術監督に就任したばかりの寺田宜広氏に話すと「来てさえくれれば大丈夫です。5月末にはキエフ市の催しがあるので、それに合わせて出来ますよ」。ところが5月末のタイミングが図れず、この度の任命にあたり、パリに続いて真っ先に考えたのがこの企画。その話を知人のピアニスト、木曽真奈美さんに話したら「『展覧会の絵』は私のライフワーク!そんな所で弾けたら…」。そこで早速に木曽さん演奏のCDを購入。聴いてみると、今までこの曲に抱いていたイメージと全く違う!これは…と調べると、この曲は、ムソルグスキーが、急死した親友の画家ガルトマンに贈るレクイエムという解釈。そう思って聴き直すと、確かにプロムナードは2人が連れ立ち歩く。「グノーム」でガルトマンは倒れ、魂となってムソルグスキーに寄り添い旅をして、最後の「キエフの大門」でガルトマンは昇天する。
そこで、蘭黄がムソルグスキー、ガルトマンを寺田氏に依頼、木曽さんのピアノ生演奏での上演となった。当日は門内に、ウクライナ国立シェフチェンコ歌劇場の大道具さんによる特設ステージが組まれ、同劇場の照明さんも協力してくれた。
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最初は門内に観客が大勢入ることを危惧して、門扉を閉めると言っていた博物館(この史跡は博物館にもなっている)の責任者さんも、我々の熱意を聞いて「では門を開けましょう。但し、入場制限のテープはそのままで」となった。
また、中程の「卵の殻をつけたひよこの踊り」では、キエフバレエ学校の生徒さん達にも出演して貰った。
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こうして2週間、バレエ学校での振り付け、稽古を重ねて5/27の本番の朝。朝食後、突然左脇腹に痛みが。間を置いて襲ってくる激痛に脂汗まで。
数日前の大使館訪問の折、角大使から「何かあったら医務官が居ます」とのお言葉を頂いていたのを思い出し、直ぐに大使館へ連絡。土曜日にもかかわらず直ぐに大使館へ行って診療していただき、恐らく「尿路結石」との診断。痛み止めの注射と飲み薬、胃薬に坐薬を頂き、何とか抑えながらリハーサルは無事に終わり、本番。
満員のお客様と、外から覗く大勢のお客様の見守る中、角大使のご挨拶に続いて、現地のヤマハが協力して運び込んでくれた白いピアノの前に、白い衣装に身を包んだ木曽真奈美さんが座り、蘭黄に続いて寺田氏が舞台に立った。おもむろに「プロムナード」から曲が始まる。
今回の振付は蘭黄。寺田氏と子供たちの部分は蘭黄の振付を寺田氏がバレエに「翻訳」。
連れ立ち歩く2人の友情の場面から、突然の死、ムソルグスキーの混乱、寄り添うガルトマンの魂…やがて悲しみに打ちひしがれたムソルグスキーを生命力溢れる子供達が取り囲む。それはガルトマンからのメッセージ…「力強く生きよ!」。それでも親友の姿を追い求め、力尽きて倒れ臥すムソルグスキーに、ガルトマンが彼岸から語りかける。「ムソルグスキー、貴方は僕にとって神様のような存在でした」。ムソルグスキーは自身の悲しみ後悔と闘い、やがてガルトマンの死を受け入れる。するとガルトマンの魂は、鐘の声と共に昇天する…
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「僕に、芸術家の心を取り戻してくれました」芸術監督になって5年。バレエ教育は勿論、学校の運営まで任され、国会議員たちやスポンサーとも渡り合う過酷な日々は、いつしか彼に「芸術家の心」を忘れさせていた。「色々な交渉をするのに怒っていては出来ないでしょう?だからいつの間にか僕は心を亡くしていました」と打ち上げで語った寺田氏の言葉が忘れられない。

キエフ市との折衝、黄金の門を使わせて頂く事、舞台・照明の設置、観客動員、バレエ学校でのリハーサルの手配、共演してもらう生徒さんの選定、共演から打上げのホームパーティーまで。ご自身の芸術監督としての仕事をしながら、全てをして下さった寺田宜広氏に感謝、感謝です。
また、木曽真奈美さんの演奏にも感謝です。木曽さんの演奏を聴かなければこの企画にはなりませんでした。 そして観て下さった、キエフバレエのプリマ、フィリピエワさん始め、キエフの沢山のお客様に感謝です。

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